トランス界隈を考える上で必須の5単語

トランス界隈を考える上でのほんとにほんとにちょっとだけの用語集。 

 【性別違和】
性別への違和感により、社会的な生活に影響が出ている状態を性別違和と診断する。 DSM-5識別診断ハンドブックでは

  1. 性別役割との不調和(少女における「おてんば」行動、成人男性における機会的女装など)
  2. 異性装障害(異性の服装をする行動により性的興奮を感じ、自分の元々の性別には疑問を感じない)
  3. 醜形恐怖症(性別を否定しない)
  4. 精神病性障害(妄想)

――は診断の際に除外すべきだとしている。 性別違和を覚えた時期で早発性と遅発性に分けることができる。MtF早発性は性的指向が男性が多いが、思春期以降の遅発性は女性に向いているひとが多い。全体として遅発性は社会的、心理的、発達的な課題を抱えていることが多い。GID原理主義的な考えは性同一性障害はものごころ付いたころにすでに自分で分かっているもので(「生まれた性別を間違えた」)、早発性や遅発性もないとする。

【パーソナリティ障害】
子どものころに受け入れられてくれる存在がなく、自我が確立できない状態。自分が自分でないように感じるのは性別のせいかも、との考えでトランス界隈に入ることもある。パーソナリティ障害の原因は、親が親の役割を果たさなかった家庭環境にある。発達障害など周りに受け入れられた経験がないせいで、性別違和様になることもある。

 【パス度】
外見で男か女かどう判断されたかをはかるもの。POSシステムの年齢層ボタンが知られる。CoCo壱番屋の伝票には「M: F: C:」と書かれた欄があり、Mは男性、Fは女性、Cは子どもを表す。それぞれの記号の横には人数が入る。もし伝票に「F: 1」と印字されていたら、店員は女性1人の客だと認識したことになる。完全に望みの性別に見られることを完パスと言うが、完パスを自称している人間はノンパス(パスできない)である。

【W】
都内にある性同一性障害診断書発行センター。

【自殺】
ホルモン療法に伴ううつ状態は約15倍、自殺や原因不明の死亡により死亡率は約5倍とされるが、岡山大学ジェンダークリニックを受診した患者の80.5%が自殺念慮を、35.6%が自殺や自傷の経験を持っていた。性別違和を持つものはなんらかの精神疾患をかかえていることが多い。